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2014年6月18日水曜日

ホールボディカウンターの内部被ばく検査による安心って何だろう…


ホールボディカウンターによる内部被ばく健診…
事故から3年以上たった現在、その有効性については、疑問を持つ人が多いことでしょう。

(記事にある今回の検査では)300Bq/bodyという検出限界値、
つまり、検出なし、とされた場合でも、
体重が20kgの子であれば、
全身の被ばくをならしたとして15Bq/kg以下の内部被ばくはあるかもしれないということ。
それはやはり安心するには高すぎると感じるし、
一部の器官に集中して被ばくしていた場合、
もっと高い数値も、部分的にはあり得るわけです。

これで、ほんとうに安心できるでしょうか。

けれども、依然として、
「自身で検査を受けることで、自身のことを知ると同時に、その地域がどうなのかについて知り、
周りに伝えることができる。そして今後の生活に役立てることができる。皆で協力して得る安心
の一つの形」とこうして医師に言われてしまう…

こうした発表があるたびに、
その奥の、沈黙せざるを得ないお母さんたちの、声なき声が聞こえてくるように思うのです。

安心の基準はひとりひとりちがいます。
被ばくの影響がわからない部分が多いからこそ、予防するのだと、
「子ども・被災者支援法」でも謳っています。

お母さんたちに話す時によく言うのですが、
たとえ、車にひかれる確率が低かろうと、子どもを車道側に手をつなぎ
車のそばを歩かせるお母さんはいないでしょう?
私たちは、子どもたちを、できるだけリスクから守ってあげたいと思うんです。

被ばくの影響だって、ここまでは安全だよ、と言われても
そのギリギリのところまで、あえて我が子を差し出したくはないのです。

何マイクロシーベルトだ、何ベクレルだ、と数字で安全を担保したいのでなく、
ただ、事故前に近い状態で過ごさせてあげたい!
それは、親として当然の願いじゃないですか。

もともと、国が「1ミリシーベルト」(以上の追加被ばくをさせない)を約束したのなら、
せめて、そこは守ってほしいと言いたいだけです。

安心を強制するための検査をするくらいなら、
なるべく内部被ばくを低減できるような、具体的な取組みに力を注いでほしい!
たとえば、給食の食材であり、保養や移動教室への取組みであり、
避難・移住という選択に対する補償であり、
できることはいくつもあるはずです。

この報告を読むと、
「小児の約60%が日常的に地元産もしくは自家製の米を食べており、
20%以上が同様の野菜を食べている」という問診結果に、
約4割の子どもは、地元産以外の米を食べていて、
8割弱の子どもが地元産以外の野菜を食べている、ということがわかります。

そこに、必死で子どもを守ろうとするお母さんたちの姿が見え隠れするようで
すぐに、何とかできないものかと思いはしても、
何一つ動かせるわけではない自分と堂々巡りをするわけです。

今夜もまた、できることを1つずつ、と何度も何度も言い聞かせています。

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apitalより抜粋:(下線はこちらで引きました)
http://apital.asahi.com/article/fukushima/2014061700004.html


子どもたちへの検査結果がまとまりました

2014年6月17日

三春町では2011年から毎年、6-15歳の小児を対象としたホールボディーカウンターによる内部被曝検査をひらた中央病院で行っています。(略)

更衣をせずに検査していた事故初期には、一部の小児からセシウムの検出を認めたものの、2012年、2013年にはどの小児からもセシウムを検出しませんでした。多くの方が地元の食材を摂取している状況で得られた検査結果であり、現在の流通食品の安全性と、日常生活で大きな内部被曝をする状況ではないということを強く示唆する結果でした。
2011年の秋から冬にかけて行った最初の検査では、1494人(全対象者の94.3%)のうち54人で検出限界を超えるセシウム137を検出。2012年、2013年秋に行った2、3回目の検査では、それぞれ1383人(同95.0%)、1338人(同93.4%)が検査を受けましたが、300Bq/bodyの検出限界を超える小児はいませんでした。

(中略)三春町小児への悉皆(しっかい)検査の結果であることから、「一部の子どもが高いかもしれない」というサンプリングバイアスも排除できることを示しています。

問診の結果では、小児の約60%が日常的に地元産もしくは自家製の米を食べており、20%以上が同様の野菜を食べていることを示していました。いつも申し上げていることですが、いくつかの出荷制限のかかる、未検査の食材を、継続的に摂取すればある程度の内部汚染をする可能性はありますが、そうでない場合は、「地元産の野菜だから内部被曝が増えている」という状況では全くありません。

(中略)

良い表現か分かりませんが、自身で検査を受けることで、自身のことを知ると同時に、その地域がどうなのかについて知り、周りに伝えることができる。そして今後の生活に役立てることができる。皆で協力して得る安心の一つの形だと思います。色々な検査もこんな形でサイクルにのっていくことができればと感じています。