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2012年1月28日土曜日

【拡散】食品中の放射性物質対策(新・食品安全基準値)に関する東京説明会の報告とパブリックコメント募集(2/4締切)の案内

厚労省と食品安全委員会(内閣府)より、「食品に関するリスクコミュニケーション~食品中の放射性物質対策に関する説明会~」が全国7都府県において開催されるということで、1月16日(月)に東京会場での説明会に参加したのでご報告します。


同時に2月4日まで、食品中の放射性物質の新基準値設定に関するパブリックコメントが募集されていますので、説明会に参加できなかった方、このブログを読んでご意見をお持ちになった方、ぜひご意見を送ってください。


----以下報告--------


各地から集まったお母さんたち、流通業者、食品メーカー、生産者の方などの質問や抗議に何一つ納得いくような回答をいただくことはできませんでした。


設定の基準となった内部被ばくだけで生涯100msvは安全か?
食品からの内部被ばくだけで生涯100msvを安全と捉え、呼吸による内部被ばくや、事故後上昇している空間線量、次々見つかるホットスポットから受ける外部被ばくも考慮されていません。


生涯100msv以下というのは癌や白血病のリスクが認められないという数値です。
チェルノブイリでは、低線量被ばくにおける免疫力や体力の低下、出産における異常などが報告されていますが、これらの危険性は、疫学調査の結果がない(疫学調査は何万というデータの証明が必要)、報告されている論文・データにおいては統計手法に問題があるなど科学的知見がないということで考慮されていません。




■水産物はどうなっているの?
農水省の人は出席していましたが、今まだ調査段階で、ストロンチウムの検出や生物学的濃縮率の危険性があるとされる水産物に関しては全く説明がなく、水産庁の方がこの場にいないことに大しても参加者から批難の声が上がりました。東京湾でもホットスポットが見つかっています。水産物への言及があまりにも乏しかったです。




■新基準値一般食品への考え方~限度値の盲点~
新基準値は一般食品が100Bq/Kgになりましたが、これは年齢区分別における限度値のもっとも厳しい値(数値が低いほど厳しいとみなします)から決定されましたが、下の表から限度値がもっとも低い年齢区分は13歳~18歳の男子の120Bq/Kgのようです。食べ盛りのお子さんを持つ親御さんも気をつけて欲しい、とお知らせしたい情報です。



 ●配布された資料から図の抜粋



 
米・牛肉・大豆は新基準値施行までにタイムラグが発生?
米・牛肉は今年9月30日まで暫定規制値が適応、500Bq/Kgのままです。
大豆は12月31日までそのまま。
加工品においては、それぞれの賞味期間内まで流通するそうです。おなじ食品で基準値が違うものが同時にお店に並ぶってこと?市場の混乱を避けるためにというが、「誰のためにもならない。新基準の即実行を求める、延期はありえない」といった声あがっていました。




食品にはカリウム40が含まれているって?
カリウムは自然放射線で人間の体に蓄積しません。人類の進化のなかで適応してきたもの。


自然放射線との比較?
またインドのケララ地方の話だー。ケララ地方のもともと高い自然放射能と事故以前の自然放射能の値に事故後人工放射能が上乗せされている日本の現状を比較しても意味がない。
“自然放射能と人工放射能との比較をお願いします。


人工放射能は体内に濃縮・蓄積する
自然放射能は体内に濃縮・蓄積しない


ヨウ素131やセシウム137、ストロンチウム90といった人工放射能(人工放射性核種)は、
生体内に濃縮・蓄積し、生物がこれまで適応してきた自然放射能とは比較できない影響を人体に及ぼす。セシウムも、天然のものはカリウムと一緒に入ってきても非放射性ですから、何も怖いことはない。勝手に入りなさい。ね、ところが、放射性のセシウムは原子炉が作り出すものだから、
これも今言ったようにジワジワ蓄えられてしまう。
 いままで、天然の放射能に濃縮するものはないというのは人類の進化と適応の結果なんです。
ところが、我々が進化と適応の過程で一回も遭遇したことがない、原子力産業が始まってから初めて出来たヨウ素131やセシウム137、ストロンチウム90といった人工放射能(人工放射性核種)に対して、我々はそういった適応を持っていないんです。 (自然放射線と人工放射線の違い・市川定夫氏講演内容書下ろしから転載






給食基準は設定しないのか?
放射能の影響を受けやすいとされ、健康で明るい未来が保証されるべき子どもたちの給食に関して、自治体や市民測定所における検査で、基準値以下ではあっても放射性物質の検出報告が相次いでいます。すでに起きてしまった汚染牛の流通による給食への使用など、親が抱く不安を度外視して統計や数値的なものだけで一般食品とおなじものとして扱われてよいものでしょうか。不安といった負の感情に対しても配慮していくのが本来のリスクコミュニケーションのあり方ではないでしょうか?


ICRP勧告の勝手な拡大解釈
11/12/28、放送された「NHK 追跡 真相ファイル・低線量被ばく 揺らぐ国際基準」では核産業からの要請を受け、ICRPが100mSV以下の低線量の影響を二分の一にしていることが、元ICRPの米国人委員の証言により明らかになっています。




他に上がった質問や要望
●新基準値では干ししいたけは水にもどしてから計測することになっていますが、戻し汁をだしにつかう家庭は多い。 どうのようにとらえればよいか?


→参考にします。的確な答えはなし。


●お茶も飲む状態にして計るとはいえ、抹茶・食べるお茶などはどうする?


→一般食品とみなします。


このところ特定地域・特定品目からでないと高い数値は報告されていないように思うが、基準値がいくら5分の1になるとはいえ100bq/kgに設定される意味が分からない。もう少し基準値を下げて欲しいという意見が消費者・流通業者から出ていました。

●事故後の国の対応や暫定基準値の長期化もろもろ、消費者・生産者の間では国や食品に関する不信感が高まっています。統計やデータを基準値の安全材料として列挙するのではなく、産地公開を現在の都道府県表示よりも詳細にし、生産地ごとに測定の充実をはかるなど、担当省庁の枠を超えた、産者・消費者ともに安全で安心した生活ができるような食品流通の体制づくりも充実させて欲しい。


以上ご参考にしてください。


昨年夏には3000通を超して集まったパブリックコメント、これは大きなうねりを起こしました。
今回のパブリックコメントの集まりが少なければ、国民の意識が薄れていると解釈されかねません。食の安全に向けて私たちの意識が依然高いことを発信する意味でも、ぜひパブリックコメントを提出いただければと思います。


 送信フォームの件名に、食品中の放射性物質に係る基準値の設定と書いて下さい。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

なぜ50から100にあがるのか?理解に苦しみます。普通は厳しくするのが常識では?1ベクレルは細胞一つをダメにすいてしまうんですよね。それを上げるのはガテンがいきません。そして世界基準にあわせてください
子どもたちの為に是非!