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文京区でもお弁当持参許可
放射能懸念…弁当持参認める自治体 揺れる学校給食 「教育の一環」困惑もhttp://sankei.jp.msn.com/life/news/120119/trd12011923430017-n1.htm 2012.1.19 23:41更新
給食が出るのに、弁当を持参して昼食をとることを許可する自治体が出ている。福島第1原発事故による放射能汚染を受け、保護者から給食への不安を訴える声が相次いでいるためだ。しかし、給食には栄養や食材産地などを学ぶ役割もあり、給食制度が崩れることを危惧する声も出ている。 東京都文京区は区立小学20校、中学10校の全校で給食を実施しているが、4月から保護者からの要望があれば、弁当の持参を認める。1月10日付で、区教委が各校に通知した。保護者が学校長に学校給食の「辞退届」を提出すれば、相談の上、給食を停止するという。停止が許可されれば、給食費は払わなくて済むという。 区では、給食食材の産地を各校に掲示したり、放射能測定器を使った調理済み食材の調査にも乗り出している。「それでも心配という声があり、弁当を認めることにした」と担当者は明かす。 すでに弁当を認めている自治体もある。全校に栄養士を配置し給食を提供している目黒区は昨年6、7月ごろから同様の措置を取り入れている。担当者は「バランスの取れた給食を食べてもらいたいという思いはあるが、放射能汚染は前例のない問題。不安に応えていくしかない」と語る。 江東区では昨年11月現在、小学校で15人(中学は希望者なし)が弁当を持参しているという。東京都稲城市でもすでに弁当が認められている。 東京都内に限らず、同様の対応を求める声は強く、福島や宮城、岩手、茨城といった地域だけでなく、沖縄でも弁当・飲料の持参許可の要望がされている。これらの声に、多くの自治体では、「安全に関する説明に納得いただけないケースでは、弁当を認めるなどの対応を学校現場でしている」(さいたま市)といった対応をしているようだ。 一方で、給食は大切な教育の一環。文京区の担当者は「クラス全員で食事をともにすることで、大勢で食事をする際のマナーや、楽しく食べるために必要なことなどを子供たちは学ぶ」とも話す。別の区の教育委員会の担当者は「弁当持参を許可する学校が増えることで、これまで培ってきた給食の制度そのものが、崩れていくのではないか」と心配する。 文部科学省は、「弁当での昼食を無条件に認めることはできない」としながらも、「無理に食べさせるわけにもいかず、納得していただけなければ致し方ない」と事実上、弁当持参を容認の立場だ。ただ、文科省でも「給食は、栄養や食材の産地などを学ぶ、各教科と関連した『教材』としての側面を持つことも理解してもらえれば」と困惑は隠せないでいる。 ◇ 制度の根幹に影響も 小田原女子短大の元田由佳助教(食育)の話「給食の目的は児童の健康増進。国の基準値を守った食材で提供されているから安全なはず。弁当持参が増え、給食費の徴収ができなければ、自治体の負担が増えるため、使用できる食材が制限されるほか、調理人員の減少など、給食制度の根幹に影響が及ぶ可能性がある。ただ、実際に弁当を持ち込む例は少ないと聞いており、制度に影響が出ることはないと思う」 家庭の判断重視を 教育評論家の尾木直樹さんの話「放射能の問題は、これまでの経験則が生かせないのだから、個々の家庭の判断を重視するのが重要。不安は個人によって差があり、弁当持参など、選択の自由を確保すべきだ。安心安全の前提が壊れているのだから、弁当の持参にめくじらをたてるべきではないと考える。あとから、給食で使っていた食材が放射能が高いホットスポットのものだと分かっても責任の取りようがない」
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