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2011年12月23日金曜日

●食品中の放射性セシウムの新基準値案に関する意見書(子ども全国ネットより)

本日厚労省の食品新基準値案に関する意見書が子ども全国ネットから提出されましたのでお知らせします。

--以下意見書-------------------------


2011年12月22日

小宮山厚生労働大臣 殿

子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク 一同


食品中の放射性セシウムの新基準値案に関する
意見書

「子どもたちを放射能から守る全国ネットワーク(以下、子ども全国ネット)」は、今回発表された食品の新基準案、および、政府の姿勢に対し、子どもたちを守るためには「安全基準として意味のない、受け入れられない数値」と判断いたします。事故後、高い暫定基準値とずさんな検査体制により、汚染食品は流通し、既に日本の子どもたちは被曝しています。
また、農水省の検査データをみても、特別な食品を除き、おおむね20Bq/kg以下となっており、食品中の汚染は低下しつつあるといえます。さらにセシウムだけを考慮する今回の基準値は、現状を踏まえない高いものであり、むしろ消費者の買い控えを助長し、生産者の被害をも助長します。よって、今回の基準値は、国民の健康よりも流通させることを重視した「現状追認基準値」と言えます。
私たちは、可能な限り数値を低くし、検査体制を徹底するという国の強い姿勢を求めていました。しかし、今回の発表は、現状を追認する程度、すなわち、食の安全と国民の健康を守り、国内の食産業を守ろうという姿勢は皆無と言っても過言ではありません。

1. 乳児の基準に関してはゼロベースを目指す姿勢を示すこと。
2. 乳児食品以外の子どもの基準値を設定すること。
3. 主食である「米」の基準値を設定すること。
4. 牛乳に関しては、より低い数値を設定すること。
5. 妊娠・授乳中の女性へ配慮した基準を設定すること。
6. 高い外部被曝が懸念される地域の子どもたちにはゼロベースを目指す姿勢を示すこと。

厳しい基準値と、徹底した検査体制と、情報公開を行うことで信頼を回復し、国民の信頼を回復し安心して子育てできる環境を整えることは厚労省の責務であると考えます。子ども全国ネットは、未来をになう子ども達、またその先の子ども達のために、基準の再考を強く求めます。


以上


【考えの基となるデータ】

1)ICRP PUBLICATION 1112009では、毎日継続して汚染食品を摂取することによる体内残存量は、同量を一時的に摂取した場合と比較し、負荷が大きくなることをグラフとともに提示しています。

POINT・1>毎日10Bq摂取し続けた場合、一度に1000Bq摂取した場合と比較して100日かからず体内残存量は逆転。

POINT2 200日で体内のセシウム1371000Bqを超える。700日で体内のセシウム137の濃度が1400ベクレルを超す。

「図は、1000BqもCs137を一時的に摂取いた場合と、毎日1Bq及び10BqもCs137をそれぞれ1000日間にわたって摂取した場合の全身放射能の変化を示す。同じ総摂取量に対して、期間期末における全身放射能は大きく異なっている。これは、汚染食品を日常的に摂取する場合との負荷が本質的に異なることを示している。」

ICRPPubl. 111 日本語版・日本アイソトープ協会暫定翻訳版





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